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うたかたの日々

.21 2009 未分類 comment(0) trackback(0)


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何が耐えられないかって、それは電気炊飯器。
許せない。
それはやはり、原因があのデザインにあるのであって、つまり、あのタイマーだとかふっくらコースだとか現在時刻だとかの表示とあの安っぽい、ださださな、なにをどう考えて作ったらこういう結果になるのか知らん、というあのデザイン。
これは機能美の決定的な欠落の結果であって、すなわち、米を食う為には、炊かないといけない。炊いたら食わねばならない。という完全無欠の理論から脱線して、やれ保温だのやれ倍速だのやれ、なんだ、まあいろいろ、いちゃもんをつけたから、さて外観は…、という段になってピッタリ落ち着くものがなく、しゃあないからじゃあそれこそ訳の分からないデザインにすりゃあ一般大衆はこれをイケてると思い、購入するんじゃないか、いや、これ売れまっせえ。そういう、もう思考停止状態の象徴としての電気炊飯器であるから。耐えられない。
そんなある日、自分は引越しをして、家財道具一式を買わんければならなくなった。衣・食・住のうち、衣と住は揃っている。問題は食の、特にハードウェアが全くなかったこと。
食料保存のための電気冷蔵庫、これはなぜか友人がくれた。じゃあ、食材を、って、ここで我々日本人の主食であるところの米、これを炊く道具の必要に迫られた。鍋で炊くという選択肢があったが、まだコンロを所持するほど出世はしていなかったのだ。
そうすると、あの忌々しい、ださださな電気炊飯器を買うしかないんだけど、あんな奴が自室に入り込み、日々を一緒に過ごさんくてはならんとなるともう嫌だ。やはり耐えられない。
しかし量販店なぞに行くと商品の種類も多いだろうから、中には機能美を保った便利で不愉快じゃない炊飯器が買えるかも知らん。
またしかし自分が量販店で見たものはもう全く上のような卑劣な外観で、もっさいやつオンリー。やむなくカタログを数冊持って帰った。

ああ、なんだか眠いし酔ってるし、なんだか幻覚とか見えるんで、一旦中断。寝る。

―――再開

つづき

結局ナショナル製ジャー炊飯器カタログの最後の方の頁に、申し訳程度に掲載されていた、至って単純な、ただ釜があって蓋があってスウィッチがあって電気線がある。これだけのものを発見して取り寄せたのだけれど、これが高価だった。多機能、けれども訳分からん外観、の1.5倍程もする値段がついていた。

届いた商品、これが本当にシンプルで、蓋は一枚薄い鉄製のんをカパと乗っけるだけで、スウィッチは炊く準備OKのときに一度ガチャリと押さえるだけ、炊けたらガチャポンとはねあがるだけ、の「だけ式」で統一されていた。無論保温機能ナシ。そうするとやはり外観も、機能美がそういえば備え付けられているようにも思えてきて、なんだか安心して、ついぞ炊けるだけ炊いては一膳分づつに丸めてラップフィルムでくるみ、冷めるのを待って、冷めたら冷凍庫にぽんぽん放り込んで、ふふとほくそ笑み、毎日毎回食べる前に、何故かまた友人が置いていってくれた電子レンジで解凍して茶碗にあけ、それを食らっていた。
まとめて炊いて保温するより手間のように思えたがこちらの方が炊いたあとの米が劣化することもなく旨い。よかった。

そうして米のある数日を過ごしていて、ふと気づいた。
保管、解凍する為の冷蔵庫、電子レンジのデザイン。これにやはり機能美が欠落している事。両方とも無責任なプラスチック製樹脂で覆われた、不恰好そのものであるという事。
しかし、冷凍や、電磁波を使っての解凍、これにどう機能美を求めていいのか全く分からないのである。
自分は混乱していた。
うーん。冷凍って行為、解凍って行為……。なんだかいじましい、さらにはあさましいような…。じゃあ、薪を割って釜で炊いて竹筒でフーフーってか。いやそこまで文明レベルを退行させると周囲の人たちに迷惑がかかる。いやいやそもそも電気の使用とは……。プラスチックの責任とは……。

…………………。

混乱は極みに達し、もうなんだか分からなくなって、また冷蔵庫の扉を見つめると、『if...』というブランドなのか、そのロゴ、これは直訳すると「もしも…」であって、なんだかその、もしも、の直後の『・・・』の三点リーダーがとてつもなく不吉なもののように見えて、ついにはこの部屋が永遠に解けぬ謎、呪縛、忌、そういったものでがんじがらめにされているような気がして、いかん、このままでは気が違ってしまうかも知らん、って勢いで部屋を飛び出し、自分が住んでいるアパートを外から眺めると、その構成は六畳敷き一間が十室ほど、つまり畳の部屋+台所、風呂、便所という言わば和室の集合住宅なのに、ハイム、とかいう冠がついているし、外観はまるっきり洋館だし、やはりここには悪魔が住んでいるのだ! おれはもうメシすら食えぬ! ってついに思考は飛躍しすぎて、そのまま自転車に飛び乗って猛スピードで疾走して善福寺公園に行き、そのまま池で貸しボートを借り、それを一人で漕いではグルグルと周回、自分はもうそれこそきちがいになって、さらに自分の運転するスワンは鳥インフルエンザウイルスに犯され、死ぬる前の断末魔をあげているかのよう。

そうして貸しボートのレンタル時間も終わってしまう頃、すっかり自分はお腹がすいてしまって、もうだめだ。
サッサと自室に帰り、冷凍庫の扉を開け、一膳分の米を解凍し、これを食べた。

旨かった。

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