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◆パン屋再襲撃

.11 2010 未分類 comment(1) trackback(0)


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takaido koujou



数年前、自分は東京に逐電していたことがあって、ほとんど仕事もせず、まあ居候させてもらってた友人には迷惑をかけたとは思うが、とにかく金がなかった。

そこで、東京に住んで長い、古くからの友人に
「なにか稼げる仕事はないもんかねえ」
と相談。
そうすると友人川井君(仮名)は、
「パン工場の夜勤に行けばいいよ。日給で1万は軽く超えるし」
という。
食堂も完備だし、朝はパン食べ放題だし、なんと言う待遇だ。
これはメシ代も浮くし、なかなかええのではないかと思って、さっそく申し込んだ。
工場はヤ○ザキパン高井戸工場(鳥肌実もネタで「ヤ○ザキパン高井戸工場勤務」とか言ってたなあ)で、登録の日から働いた。



minoru torihada
「勤務時間は朝7時から朝7時!休憩時間にはアムウェイの勧誘をおこなっております」


勤務時間は夕方6時から朝6時。拘束時間じつに12時間である。
高井戸工場は環状8号沿いにあった。
巨大な建物。
なんだか不吉なオーラが出ていた。
全体的に黒みのあるダークグレイで、まるで強制収用施設のようだった。


高井戸工場


そして工場内では、白衣?に頭巾、帽子、マスク、上履き、
などで完全防備で移動、作業などをする。これだと個人の識別ができないので一応帽子に名札が付いてあって、そこに名前が書いてある。
まさに工場。個性なんかいらない。必要なのは能力と従順さ。周りの人も囚人のように見えた。

工場内は殺風景そのものなんだけど、巨大な機械の動く音や、調理フロア(弁当なんかも作っている)のさまざまな調理音、ベルトコンベアのきしむ音、パンがいっぱい詰まった16段重ね位のパンケースを運ぶ人たち、それを運搬車に乗っける音など、それらが渾然一体となって、映画『メモリーズ』の『大砲の街』のような感じがした。

さて勤務である。自分はパン製造ラインに配属された。
周りの人はどんな人か分からん。なんせ目印は帽子の名札のみだから。孤独であった。いや、皆孤独であったはずだ。

そして各工程にいるリーダーの指示で作業が始まる。
「じゃあ、チョコのクロワッサンいくぞ!」
そう、ここの社員連中はなにかと怒鳴るのであった。怒るときは罵声。
ややあって、ベルトコンベアのはるか前方からずんずんパン生地が近寄ってくる。
「このチョコをパン生地に挟んで左右から包み込めっ!」
との指示通り、足元に箱で置いてもらった小さな板からチョコを取り出し、生地の中央に設置し、左右から包むのである。でコンベアの最後には、パン焼き用の鉄板があり、別の人がいて、6つ乗っけると焼くエリアに運んでいく。このベルトコンベア、なかなかのスピードなんである。気ぃ抜いたが最後。

ここで問題が起こった。
パン生地は4列でずんずん接近し、左半分の2列をおれが担当しチョコを挟み込んだ。グルーブたっぷりで見事に16ビートでチョコを設置した。順調だった。
しかし右半分の2列はコンベアをはさんで向かいに立っているぬけ作ヅラ(顔は見えないんだけど)の大学生が担当で、この学生の手際が悪い。おれが順調にチョコを挟んでいるのに、彼が担当のはずの何にも挟んでない生地がどんどんコンベア後方に流れていく
ああ、怒鳴られてしまう。
おれは自分の担当分はだいぶ貯金ができている感じだったので、そいつの分も、ヒーコラヒーコラ後方に場所移動してチョコを挟んで、それが終わると自分の立ち位置に戻った。
と思ったらまた彼の持ち分が生地だけで後方へ流れていく。もうっ! このぬけ作がっ! としゅしゅっと移動し、また奴の分をフォロー。で、立ち位置に戻ると、今度は自分のチョコレートが切れていた。大慌てでストックのあるところへ駆け出す。
その間、当然生地だけがどんどん流れていく。学生にはフォローできるほど余裕はない。また怒鳴られる。
グルーブは完全に乱れてしまっていた。
汗もえらくかいた。
こうして千個単位のパンのもとをこしらえた。

そんなこんなで次は、パン焼く釜の直前に配属。仕事は鉄板上の各種パンの並べ方チェックや、卵の黄身から作った艶出しを塗ったりしていた。
しかし、熱いのなんのって。真横が焼き釜ですからね。皮膚はジリジリ、汗はダラダラ、きつかった。またそのラインに流すパンの乗った鉄板が重い重い。それを何百枚とラインに流す。
鉄板がなくなったら何故か遠くにまとめて置いてあるところに鉄板専用パレットを取りに行く。

もし、なんかの工程でミスするとものすごい大きな声で罵声を浴びせられる。緊張感満点。しかも名前など見えんので、
「おい!コラ!そこのバイト!ちょっと来い!」なんて具合だ。
その他、いろんな作業をしたが、楽はおろか、あるいは息着く暇もなかった。

電気は暗いし。
自分の気分も暗い。
深夜だし、顔も分からんのでなかなか休憩時間にも雑談に至らない。
またしても孤独。

その後、ウインナパン、メロンパン、スウィートプール、チョコドーナッツ、トウモロコシサンド、バター&レーズンなどを作り、あと袋に詰める機械も操作した。ド素人にこんなのやらせていいんかい。えらく失敗したが。

しかも、パン製作の全工程を終えると、工場のコンベア付近および全体にパンくずが落ちているので(おっそろしい量!)全部掃除しなくてはいけないのだった。あっちこっちにもぐりこんで。それもモタモタやってると罵声がとぶ。知るかっちゅうの。これだけで2時間くらいかかるのだよ。
おいおい。

しかし、この仕事、社員のオッサンが仕事の説明をしてくれるでもないのに、いきなりやらせて間違えたら怒鳴るし、「これ運べ」なんていって運ぶのはめっさ重いし、油などで手はべとべとになるし、メシはまずいし、とにかくオッサンは怒鳴るし、もう心地よい職場、なんてのと両極端な仕事であった。
おれはそんなに怒鳴られなかったけど、バイト連中は怒鳴られっぱなしだった。どつかれてるやつもいた。
12時間勤務のあとはもう完全にグロッギー。

でも明日もいかんなあかん。で、昼間寝る。
完全なる昼夜逆転。
これ、ながつづきするかな…、と先行き不安であった。


それで斡旋してくれた川井君に、彼はどうやってあの職場をうまく乗り切っていたのか、直接聞いてみることにした。

おれ「何回かいってみて、どうも、あんまりいい感じじゃないんだけど…。あの、君はどうやったやり過ごしたん?」

川井君「いや、僕は数回でやめたよ」

おれ「なんで?」

川井君「だってあんなの人間のやる仕事じゃないから



「…あのー、先に言ってくれないかなあ。そーゆーことは」


しかし身分証明書も写真もいらないここのバイト。
本当に金に困ったらまたパン工場再襲撃にいくか。




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2011.02.01 19:38

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